【出張レポート】コップロボット(中野ZERO)
夏休みの中野のサイエンスイベントも3日目。テーマは「コップロボット」です。

まずはデモンストレーションから
工作を始める前に、完成したロボットを実際に動かしてみせます。透明なコップに脚を生やしただけの、見た目はちょっと不思議な物体。それがスイッチを入れた途端、ブルブルッと震えながら机の上を歩き出すと、会場から「おおー!」と声が上がりました。
そこで一度手を止めて、「なぜ動くのか」を一緒に考えます。モーターの軸についているのは、重心が偏った”おもり”。これが回ると本体が細かく振動し、その振動が脚を通して床に伝わることで、ロボットは少しずつ前に進んでいきます。振動で動くから、いわゆる「ブルブルロボット」の仲間ですね。仕組みが分かると、子どもたちの目の色が変わります。
いよいよ工作、最初の関門はやっぱり配線
さあ、自分のロボットを作る時間です。
最初の作業は、モーターと電池ボックスの線をつなぐこと。実はここが一番の難所でした。細いリード線をモーターのリード線に絡めて、しっかり巻きつける。小さな手には、なかなか根気のいる作業です。指先に集中して、うまくいかなくてもやり直して……。それでもみんな最後まで諦めずに頑張っていました。つないだ瞬間にモーターが「ヴーン」と回り出したときの誇らしそうな顔といったら。
モーターがちゃんと動くことを確認したら、ビニールテープでコップに固定します。今回は緑や黄色、オレンジと、テープの色で個性が出るのも楽しいところ。ぐるぐる巻きにして、しっかり留めるのがコツです。
続いて脚づけ。カラーペンをコップの口のまわりに取りつけて、三本脚のロボットに仕上げていきます。青と赤の脚、緑の脚——このあたりから、一台ずつまったく違う顔つきになってきました。
最後にモーターの軸へ消しゴムを挿し込みます。これが偏心おもりの役目。これでコップロボットの完成です。
紙の上を走らせると……
完成したロボットを、机いっぱいに広げた白い紙の上へ。脚のペンがそのまま線を描くので、ロボットが歩いた軌跡が絵になって残ります。
これがおもしろい。まっすぐ進む子もいれば、くるくると同じところを回り続ける子、大きく弧を描いて紙の端まで旅していく子。青、緑、オレンジ、赤の線がどんどん重なって、紙の上はいつのまにか抽象画のようになっていきました。
そして子どもたちは自然と気がつきます。
「消しゴムの位置と脚の位置を変えると、動きが変わるんだ!」
消しゴムを深く挿すか浅く挿すか、軸に対してどちら側に寄せるか。脚を三本とも同じ長さにするか、わざとバラバラにするか。ちょっと変えるだけで、直進したり、旋回したり、その場で震えるだけになったり。「もっと速くしたい」「まっすぐ走らせたい」と、あちこちで改造合戦が始まりました。

作って終わりではなく、そこから試して、変えて、また試す。この日いちばん盛り上がったのは、まさにこの時間だったかもしれません。

おわりに
コップとペンと小さなモーター。身近な材料でも、振動と重心という物理のしくみを使えば、ちゃんと”歩く”ロボットになります。うまく動かない理由を考えて、自分の手で直して、もう一度動かしてみる——その繰り返しこそが、この工作でいちばん持ち帰ってほしいものです。
ご参加いただいたみなさん、暑いなかありがとうございました。夏休みのサイエンスイベントはまだ続きます。次回もお楽しみに!